電子マネー詐欺を防いだとして、宮崎県警延岡署はファミリーマート延岡高校前店の店長、甲斐達己さん(71)と、アルバイトの下田浩司さん(42)に5月28日、感謝状を贈った。

 署や2人によると、4月27日午後、延岡市内の60歳代の男性が10万円分の電子マネーを買おうとした。額が大きかったため、レジにいた下田さんが事情を聴くと、男性は「孫にあげる」と落ち着かない様子だった。

 下田さんは不審に思い、甲斐さんに知らせた。甲斐さんが改めて男性に話を聴くと「実はパソコンが」。詐欺かもしれない、と見て取り、署に通報。男性が被害に遭うのを食いとめた。

 男性はパソコンでインターネットをしていたが、画面に「ウイルスに感染している」という警告文が出た。表示された電話番号に掛けたところ、片言の日本語を話す相手から「セキュリティー費用」として電子マネーを要求された。

 甲斐さんは特殊詐欺防止の勘所を啓発する県警の「マイスター」で、事件が載った新聞の切り抜きを従業員に見せ、日頃から注意を促している。表彰は3回目だ。

 下田さんは阻止は初。男性の後ろに2人ほど並んでいたが、思い切って「待った」をかけたという。「被害拡大を防ぐ上でコンビニは最後のとりで。今後も声かけに力を入れたい」と話した。

 署によると、2023年に県内で起きた特殊詐欺は52件、被害総額は約3億5800万円。前年と件数は同じだったが、額は約2億2100万円増えた。(星乃勇介)

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