兵庫県姫路市と姉妹都市の米アリゾナ州の州都フェニックス市の間で、写真家を派遣しあい、それぞれの市の姿を写す取り組みが続いている。互いの市の写真家の視点で撮影された写真約100点を展示した「姫路・フェニックス写真家交流展」が、姫路市本町の「イーグレひめじ」地下1階で開かれている。

 両市間の写真家の交流は1988年に始まった。フェニックス市側が「日本の生活、文化を写してきてほしい」と、写真家を姫路に派遣したことをきっかけに、相互に派遣し合うようになった。訪れた写真家を案内するのもホスト側の写真家の役割で、民間の交流として続いてきた。

 2020年に姫路市の写真家・松下敏和さん、山本雅也さんがフェニックス市を訪れた後、コロナ禍の影響でしばらく交流は中断していた。昨年10月、フェニックス市の写真家の訪日を機に再開。20年のフェニックス市で撮影された写真と、昨年に姫路市で撮影された写真を持ち寄った写真展を開くことになった。

 昨年姫路市を訪れたのは、フェニックス市の写真家のブランドン・サリバンさんとクラウディア・ジョンストーンさん。松下さん、山本さんの案内で「灘のけんか祭り」で地元の妻鹿地区の屋台を訪ねたり、書写山円教寺に宿泊する体験をしたりした。

 写真展に向け、サリバンさん、ジョンストーンさんから各20点の作品が届いた。山本さんは、その作品選びにも感性の違いを感じたという。「面白がる視点が独特。楽しんでもらおうと案内したカラオケスナックでは2人とも歌が上手で盛り上がりました。中心に写っているのは、たまたま居合わせたお客さんです」と振り返る。

 写真展では姫路の2人がフェニックス市で撮影した人物写真や雄大な渓谷の風景写真も展示されている。姫路・フェニックス写真家交流展は6月2日まで。入場無料。(宮沢崇志)

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