沖縄県南城市の市議会特別委員会で31日、市職員らに実施したハラスメントの有無を尋ねたアンケートで、古謝景春市長(69)から「キスをされた」という趣旨の回答が複数あったことが報告された。

 古謝市長は朝日新聞の取材に「正式な報告を受けていない現段階ではコメントを差し控える」と秘書を通じて回答した。

 アンケートは4~5月、市役所内のハラスメントの実態を調査する市議会の特別委が、市職員や退職者ら669人に実施。301件の回答を得た。議会事務局によると、「ハラスメントを受けたことまたは見聞きしたことがあるか」という質問に、「受けたことがある」「見聞きしたことがある」という回答が計81件あったという。「ない」は215件、無回答3件、無効2件だった。

 81件の具体的な内容は公表されていないが、この日の特別委で副委員長は「市長からキスされた」という趣旨の回答が複数あったと報告。特別委は回答を集計し、公表するか検討するという。

 古謝市長をめぐっては、市長公用車の元運転手の女性が2月、胸をつかまれるなどのセクハラを受けたとして損害賠償を求める訴訟を起こしている。3月の市議会で古謝市長は「(女性が)事実でないことを訴えておりますので、私が真実を訴えたいと思います」と答弁するなど事実を否定し、今月16日に那覇地裁であった第1回口頭弁論でも訴えの棄却を求めている。(棚橋咲月)

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