文部科学省は16日、デジタル教育の拠点として全国の高校1010校を「DXハイスクール」に指定したと発表した。将来的にデジタル人材が大幅に不足することを見据え、指定校での理系学部の進学者を2028年度に2万人増やすことを目指す。

■DXハイスクール指定校の一覧(文部科学省のホームページ)https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/shinkou/shinko/1366335_00009.htm

文科省によると、公募には全都道府県の1097校が応じた。普通科に限らず、デジタル系を含む理系の授業に力を入れる農業、工業、商業といった学科が3割弱を占めた。特別支援学校13校も含まれる。1校につき最大1000万円が補助される。

DXハイスクールの指定要件は▽遅くとも26年度までにプログラミングなどを学ぶ発展的な科目の「情報Ⅱ」を設置し、2割以上の生徒の受講を目指す▽3Dプリンターなど高度な設備を整え、ICT(情報通信技術)を活用した文理横断的・探究的な学びに取り組む――の2点がある。

指定校の理系学部進学率の平均は現在19.5%だが、28年度に1割増の28.9%を目指す。4年後の進学者が推定で4万人から6万人に増える見込み。「情報Ⅱ」の履修率は現在すでに科目を開設している学校では平均で現状の38.6%から26年度に57.7%、26年度までに開設を目指す学校では28年度に半数超を目指す。

文科省は不足するデジタル人材を増やすため、デジタル系を含む理系学部を新増設する大学への支援を打ち出した。27年度までに理系学部の入学定員は計1万1千人増える見通しで、これに併せて高校からの進学者も増やす必要があった。

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