茨城県稲敷市が市立小学校の6年生全員を対象に、成田空港からチャーター機による周遊飛行を実施する。昨年、抽選で参加者を決めて初めて催したが、児童らの希望に沿って規模を拡大する。

 市によると、市内8校の6年生は4月時点で243人。6月24、28日の2回に分け、空港内で働く人たちの様子を見学した後、日本航空傘下のスプリング・ジャパンが運航するボーイング737(189席)に乗る。

 機内では客室乗務員の案内放送の体験や、整備士によるクイズも予定。搭乗を希望しない児童は、空港の隣にある航空科学博物館を見学する。

 市は成田空港の地元として、航空業界に興味を持ってもらい、将来的な雇用や定住につながればと期待する。昨年は児童と保護者2人1組で152人を選んだが、アンケートに「クラスで行きたい」などの声が寄せられ、対象を全小6生に広げた。予定する費用は約982万円で、成田国際空港会社からの周辺対策交付金を充てる。

 新型コロナ禍からの航空旅客の回復で、航空会社は機材や乗員のやり繰りが厳しいが、日航の担当者は「さらに多くの子に体験してもらい、航空の仕事に親しみを持っていただければ」と話す。

 成田空港周辺の自治体では、千葉県横芝光町が町内の全小6生を対象に、チャーター飛行を実施している。(福田祥史)

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