小林製薬のサプリメント「紅麹コレステヘルプ」=共同

大阪市は29日、小林製薬が製造した紅麹(こうじ)原料を含む機能性表示食品の健康被害問題を受け、3回目の対策本部会合を開いた。同社の報告をもとに、回収命令を出した3製品の回収目標数が19万1千個だと発表した。消費者がすでに摂取した分や廃棄済みの数を考慮した。28日時点で約83%に当たる約15万8千個が回収済みだとした。

4月26日の第2回会合では、製品の販売数約103万個のうち回収数は約8%に当たる約8万6千個にとどまると報告していた。

販売ルート別の回収進捗率は通信販売(約2万7千個)が93%、店頭販売(約5万1千個)は61%。小林製薬から小売企業などに出荷されたが消費者には未販売の製品を含め、市幹部は6月中に9割程度を回収し、9月ごろの回収完了を目指す考えを示した。

大阪市は、紅麹原料が製造されていた小林製薬の大阪工場(老朽化などを理由に2023年12月に閉鎖)で実施した検査の結果も公表。カビと思われる汚れがある24カ所を拭き取って調べたところ、「試験室」など5室の6カ所から毒性が強いプベルル酸を生成する青カビを検出したと明らかにした。

会合では、食品を提供する事業者が健康被害を確認した場合、一定の要件の下で自治体への情報提供を義務付ける法改正などを国に求めることも確認した。

対策本部の資料によると、28日時点で延べ1610人が医療機関を受診し、283人が入院治療を要した。同社が設置した相談窓口には、28日までに延べ約12万9千件の相談が寄せられている。

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