東京電力は28日、福島第1原発事故で溶け落ちた2号機の核燃料(デブリ)を取り出すための装置を、神戸市内で報道陣に公開した。今後、現場への設置作業などを進め、10月までに数グラム程度の試験的採取を開始するという。

装置は、デブリを取り出すための釣りざおのような部分と、放射性物質が外に漏れないよう全体を密閉する箱などで構成。約9~22メートルに伸縮する構造のさおを原子炉側面から進入させ、先端から、はさみ型の器具がついたケーブルを垂らして物をつかむ。

ケーブルの先にはカメラが付いており、さおを伸縮させたり回転させたりして、目標に合わせることができる。ただ、さおの操作は人が遠隔で行う必要もあり、取り出し開始から完了までの一連の作業に約2週間かかるという。

デブリ取り出しは当初2021年中の予定だったが、新型コロナウイルスの影響による準備の遅れや、取り出しの進入経路の確保に時間がかかり3度延期されている。

福島第1原発2号機の原子炉下部から溶け落ちた核燃料(デブリ)を取り出すための装置。公開されたデモンストレーションで、デブリを想定した小石をつかみ上げた=28日午後、神戸市兵庫区(代表撮影)

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