大阪公立大の研究室からシアン化ナトリウム(青酸ソーダ)などの毒物が紛失した問題で、大阪府警は28日、同大大学院の卒業生で会社員の男(30)を窃盗容疑で逮捕し、発表した。容疑を認め、「父を殺害するために盗んだ」と話しているという。

 発表では昨年8月、大学の杉本キャンパス(大阪市住吉区)の研究室で青酸ソーダを盗んだ疑いがある。使わずに捨てたという。

 紛失したのは、いずれも25グラム入りの青酸ソーダの瓶1本と、シアン化カリウム(青酸カリ)の瓶1本。それぞれ約80人分の致死量にあたる。男は府警に対し、盗んだのは青酸ソーダの一部で、残りは研究室内で廃棄したと話しているという。

 大学は27日に再発防止策を発表し、保管庫の鍵は一貫して責任教員が管理するほか、3年以上未使用の毒物は原則廃棄するなどとしている。(田添聖史)

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