文部科学省の科学技術・学術政策研究所は26日までに、第一線で研究開発に取り組む大学教員らを対象とした意識調査の結果、教員の約8割が「研究時間が足りない」と認識していたと発表した。

研究以外の業務が増えたことで論文作成の時間を犠牲にする教員も多く、研究成果物の減少や質の低下が懸念されるとしている。

教員の多くは、職務時間の半分程度を研究活動に割り当てることが理想的だと考えていた。だが実際は、大学運営の会議、学生向けの講義、入試業務、研究資金獲得活動などで時間が制約されている実態が明らかになった。

教員が自身の裁量で行う、実験や分析、論文作成などが優先的に犠牲にされている傾向も分かったという。

研究所は、経費削減や円安・物価高の影響で大学が財源不足に陥っており、人員も減って教員の業務負担が重くなっていると分析した。状況改善に向けて、教員からは経費の増額や学内外の事務手続きの簡略化を求める声が多かった。

今回の調査は昨年9〜12月、国公私立大や企業の研究者、経営層など計約2200人を対象に実施。このうち大学教員の回答から分析した。〔共同〕

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