愛媛県宇和島市や島根県隠岐の島町など闘牛が盛んな9市町の関係者が集まって意見交換する「全国闘牛サミット」の記念大会が26日、新潟県長岡市の山古志闘牛場で開かれた。2004年の中越地震から20年を迎えるにあたって、取組前には中越地震や1月に起きた能登半島地震の犠牲者らに黙禱(もくとう)がささげられた。

 山古志地域や同県小千谷市にまたがる山間地で続く「牛の角突き」は千年以上の歴史があるとされ、国の重要無形民俗文化財に指定されている。農耕や運搬に使われる牛を傷つけないようにするため、勝敗をつけずに引き離す習わしがある。

 大会には沖縄、鹿児島、岩手からの3頭も山古志・小千谷地域のルールで参加。約千人の観客が見守る中、角や頭のぶつかる音が響いた。一方の牛が押し込むと会場からは歓声が上がった。

 中越地震で牛も犠牲となった。各地から牛を譲り受けるなどして、文化をつないできた。山古志闘牛会の松井富栄(とみえ)会長(42)は「続けてこられ、うれしい気持ちでいっぱい。同じ伝統文化を共有して楽しんでくれる方が来ることで、地域の発展や活力につながる。この輪を広げて地域を良くしていきたい」と話した。(友永翔大)

福島では伝統行事「相馬野馬追」

 福島県相双(そうそう)地方で1千年あまりの歴史がある伝統行事「相馬野馬追(のまおい)」が始まった。例年7月末に開かれていたが、猛暑を避けて5月末に前倒しされた。26日は「本祭り」があり、甲冑(かっちゅう)をまとった騎馬武者が勇壮に駆けた。

 昨年は最高気温が35度を超える中で開かれ、熱中症で救護が必要な騎馬武者や観客が相次ぎ、馬2頭が死ぬ事態となった。このため、今年から開催時期が変更された。

 今年は約390頭の騎馬が参集。南相馬市の雲雀ケ原祭場地では、神旗を奪い合う「神旗争奪戦」や、スピードを競う「甲冑競馬」が行われた。騎乗した西内達雄さん(44)は「いつも暑さでバテていた馬が今年は元気だった。伝統継承のため祭りのあり方は柔軟に変えていかなければいけない」と話した。

馬に蹴られ、2人がけが

 福島県警南相馬署によるとこの日、野馬追の馬に蹴られて騎馬武者の男性1人と観客の女性1人が骨が折れる重傷を負った。女性は入場証を購入すれば一般客も入れる馬場にいたという。(大久保泰、酒本友紀子)

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