ネット銀行の口座の持ち主をかたって口座の凍結を解除させたとして、警視庁は派遣社員の男(36)=福島県白河市=ら3人を電子計算機使用詐欺幇助(ほうじょ)の疑いで逮捕し、23日に発表した。3人は容疑を認めているという。

 サイバー犯罪対策課によると、3人は昨年9月13日、都内の60代男性をかたって楽天銀行に電話をかけ、男性の口座の出金停止措置を解除。別の人物が翌14日までに、男性の口座から約2千万円を別口座へ送金するのを助けた疑いがある。

被害男性「NISA用口座だった」

 男性の口座には昨年9月以降、約30回の不正アクセスがあり、銀行が出金停止の措置をとっていた。3人は銀行への電話で、別の人物から得た男性の個人情報を伝えて停止措置を解除させており、同課は男性の個人情報はフィッシング詐欺で盗まれたとみている。

 送金連絡のメールが男性に届いて発覚し、銀行が警視庁へ相談した。男性は「NISA用に作った口座だった」と話しているという。

 警視庁は銀行側に本人確認の徹底を求めるとともに、個人に対してもフィッシング詐欺を警戒するよう呼びかけている。(御船紗子)

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