1年以上の空席を経て、今年3月に来日した新・駐日ロシア大使のニコライ・ノズドレフ氏が23日、皇居を訪れ、天皇陛下に信任状を渡す「信任状捧呈(ほうてい)式」に臨んだ。儀式の様子は外務省の要請により、記者団に非公開で行われた。記者団は公開を求めたが、非公開は異例の対応。

 ノズドレフ氏は午前10時すぎ、天皇陛下が差し遣わした御料車「センチュリーロイヤル」に乗って皇居・宮殿の南車寄せに到着。出迎えた同庁の伊原純一式部官長と握手を交わすと日本語であいさつした。その後、伊原氏と随員4人とともにその場で記念撮影をし、宮殿・松の間での儀式に臨んだ。

 「信任状捧呈式」は、外国からの新任大使が自国の元首からの信任状を天皇陛下に渡す儀式。大使は宮殿・松の間で天皇陛下に信任状を手渡し、あいさつの言葉を交わす。

 宮内庁はこれまで、宮内記者会からの要請に応じて儀式の取材を許可し、写真を公表しているが、今回は外務省の要請で非公開に。記者には宮殿南車寄せに大使が到着した際の取材だけが許可された。外務省儀典外国公館室の担当者はその理由について「現下のロシアをめぐる国際情勢を踏まえて、(儀式の模様が)対外的に発信されるのは望ましくない」と説明している。(中田絢子)

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