岐阜市にある陸上自衛隊の「日野基本射撃場」では、去年6月、実弾射撃の訓練中に当時の自衛官候補生が小銃を発砲し、隊員2人が死亡、1人が重傷を負いました。

事件のあと自衛隊は、この射撃場での訓練を中止し、去年11月に一度再開したものの、再開初日に隊員が報道陣に中指を立てる行為をしたとして再び中止していました。

その後、隊員に対し、改めて武器を取り扱っていることの重要性などについて教育を行い、訓練再開への態勢が整ったとして、22日から再開しました。

射撃場には22日朝6時すぎから自衛隊の車両が入り、隊員が訓練の実施を示す赤い旗を掲げたり、周辺の住民に訓練の予定を知らせる板を「射撃休止」から「射撃中」に変えたりしていました。

射撃場近くの80代男性は「訓練が再開されても住民に被害を及ぼす心配はなく生活に不便が出るわけでもないので、今までどおりでいいと思います」と話していました。

事件をめぐって自衛隊は先月、調査報告書を公表し、適切に教育や訓練が行われたものの、結果的に事件を防ぐことができなかったとして、教育の徹底や訓練要領の見直しを行うなどとしています。

射撃場近く 訓練再開に反対する抗議活動も

自衛隊の訓練再開に抗議活動を行う人もいました。

22日は午前6時ごろから日野基本射撃場の近くに30人ほどが集まって訓練再開に反対するプラカードを掲げるなどして抗議活動を行っていました。

射撃場の近くから参加した70代の男性は「次に事件が起きたときに責任が取れないと思うので訓練を再開してほしくありません。今度は自分たちが撃たれるのではないかという恐怖があります」と話していました。

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