東京都心部の人口密集地や川崎市のコンビナート上空を羽田空港(東京都大田区)の離着陸機が通る新飛行ルートは危険で騒音が大きいとして、ルート直下の住民ら29人が国に運用の取り消しを求めた訴訟の口頭弁論が21日、東京地裁であった。岡田幸人裁判長は訴訟を起こす資格(原告適格)の有無などの判断を示す中間判決を9月20日に言い渡すことを明らかにした。

旅客機(資料写真)

 中間判決は、最終的な判決の前に特定の論点について判断を示す。新ルートの運用が、訴訟で争える国民の権利義務を制限する行政処分に当たるかどうかの判断も示す。  弁論では、原告2人が意見陳述。川崎市川崎区の橋本勝雄さん(76)は「騒音の実態はひどい。戦争体験者は『B29の襲来を思い出す』と言っている。国策飛行ルートから守ってください」と訴えた。渋谷区の須永知男さん(76)は新ルート反対を訴える街頭活動で高校生カップルらからエールを送られたとし、「私たちは世論を背景に主張している。門前払いしないで」と裁判官に呼びかけた。(加藤益丈) 

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