富士山がのったような写真を撮ろうと訪日客が集まるコンビニエンスストアの前に、山梨県富士河口湖町は21日、撮影を防ぐ黒い幕を張る作業を始めた。住民から苦情が相次いだためで、マナーが改善されるまで張り続ける方針だ。

 幕は「ローソン河口湖駅前店」の前の車道と、反対側の歩道の間に張られた。黒いビニール製で、長さ20メートル、高さ2・5メートルある。歩道から店側を向くと、屋根の上に富士山がのったように見える。

 歩道から撮影することを防ぐため、幅1メートルの歩道と片側1車線の車道との間にポールが設置され、そのポールに幕が付けられた。

きっかけは海外のインフルエンサー投稿

 富士河口湖町によると、海外のインフルエンサーが2022年秋ごろ、店と富士山を重ねた写真をSNSに投稿したことがきっかけだ。以来、訪日客で混み合うようになり、危険な道路の横断やごみのポイ捨てなどが問題となった。

 そこで町は危険な横断やごみ捨てを禁じる看板を設け、英語や中国語、タイ語で表記した。警備員も現場に置くなどした。

 しかし、23年春は週1回程度だった町に寄せられる住民の苦情は今年3月には逆に週3回に増えてしまった。そこで町は「苦渋の選択」として、4月末に幕を張るための工事を始めていた。(棟形祐水)

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