倉庫に眠る巨大岩塩に買い手は付くか―。愛知県東浦町は今月、庁舎内の不要品などをフリマアプリ「メルカリ」で販売する取り組みを始めた。目玉商品は、郷土資料館に展示していた重さ約2.5トンと約3トンの岩塩2個。18日午前10時に各30万円で出品する予定で、町は「必要とする人に有効活用してもらえれば」としている。

町によると、岩塩はドイツ産と米国産で、最大幅は約1.2メートルと約1.4メートル。削れば食用にも使えそうだが、成分を調べていないため適しているかは不明という。重さ300キロほどの展示台も付属する。

価格は出品されている他の岩塩を参考に決めた。現地引き取りが条件で、運搬費用などは購入者負担となるため、担当者は「お値打ちにした」と話す。

1999年の郷土資料館開館に合わせて町が購入した。ただ、当時の記録は残っておらず購入価格は不明だ。明治30年代まで地元で行われていた塩づくりを解説する常設展示の中で、「海外の塩」として紹介されていた。2019年の展示内容変更に伴い、倉庫に移されていた。

処分するのも難しく、昨年8月にはインターネット公売「KSI官公庁オークション」に出品。最低価格を1個2円としたが、入札者はいなかった。メルカリは利用者数が多いため期待しているという。

同町教育委員会の楠美代子・文化財係長は「展示の役目は終えたが、捨てるのはもったいない。新たな場所で『第二の人生』を歩んでほしい」と話した。

愛知県東浦町がフリマアプリに出品する巨大岩塩。右端は同町教育委員会の楠美代子・文化財係長=4日、同町

郷土資料館に展示されていた当時のドイツ産岩塩(左)と米国産岩塩(右)(愛知県東浦町提供)

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