地震被害の大きかった奥能登地域にも、運動会シーズンが到来した。一部の学校ではひび割れがある、仮設住宅が建てられたなどの理由で、自校グラウンドで開催できないところもある。石川県能登町の松波小学校では18日、近くの松波中学校のグラウンドで運動会が開かれた。(上井啓太郎、河野晴気、西川侑里、小林大晃)

グラウンドが使えないため、隣接する松波中で行われた松波小の運動会=いずれも18日、石川県能登町で

◆近くの中学で開催、復興テーマの創作ダンス

 同小学校は校舎の被害も大きく、地震後は中学校の校舎を間借りして授業をしている。グラウンドも大きなひび割れがあって使えず、運動会は中学校の体育の授業と調整しながら4月半ばから練習してきた。  18日は普段と場所が違ったが、リレーや綱奪いなどの競技を子どもたちは全力で楽しんだ。最後に5、6年生が復興をテーマにした創作ダンスを披露。「希望を胸にともに前へ進みましょう」と呼びかけると、保護者からは拍手が湧いた。  6年森永吉郎君(11)は「創作ダンスは緊張したけどちゃんと体を動かせた」と振り返った。宮本秀人校長(56)は「震災当初は運動会なんて考えられなかった。地域の方に元気を与えられたと思う」と笑顔。孫を見に来た女性(70)は「がんばっとったね」とねぎらった。

◆輪島では開催可否を含め未定

ひび割れが残る松波小のグラウンド

 珠洲市では小中学校11校のうち8校のグラウンドに仮設住宅が建てられており、18日には市営陸上競技場で運動会をした小学校もあった。輪島市は、依然避難所となっている学校やグラウンドの状態が悪い学校があるとして、市内小中学校の運動会・体育祭については開催の可否も含め未定としている。穴水町は町内の3小中学校がいずれも秋開催で、穴水小のみ通常より1カ月遅らせて10月に行う。 

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