他陣営の演説中に公衆電話ボックスの上から声を上げる根本良輔容疑者=2024年4月16日、東京都江東区で
4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙で、他陣営の選挙活動を妨害したとして、警視庁捜査2課は17日、公選法違反(自由妨害)の疑いで、政治団体「つばさの党」代表の黒川敦彦(45)ら3容疑者を逮捕した。この補選をめぐっては、今回の逮捕容疑となった乙武洋匡氏陣営への妨害以外にも、多くの陣営が妨害を受けた疑いがある。各陣営が警視庁に被害相談している内容からは、異様な選挙戦の様子が浮かぶ。17日、警視庁を出る黒川敦彦容疑者=東京都千代田区で
当選した酒井菜摘氏=立憲民主党=の陣営は、警視庁に13件を被害相談した。4月21日には、酒井氏と蓮舫参院議員が乗った選挙カーが20分余り、黒川敦彦、根本良輔両容疑者の車に追いかけられた。城東署に駆け込んだが「車を取り囲まれバンバンたたかれ『出てこいよ』『クズが』と怒鳴られた」(陣営関係者)。陣営は別の車で酒井氏らを逃がしたが、その車も追われ、演説日程を大幅に変更させられたという。17日、警視庁に入る根本良輔容疑者=東京都千代田区で(一部画像処理)
飯山陽(あかり)氏を支援した政治団体「日本保守党」の有本香事務総長は「街宣場所に現れて演説をかぶせて妨害する、それで別の場所で街宣しようとすると、またそこに来て『米国の犬』『ばばあ』などと誹謗(ひぼう)中傷された。選挙事務所にも何度も押しかけてきた。選挙カーも何度も追尾された」と話す。17日、警視庁に入る杉田勇人容疑者=東京都千代田区で
金沢結衣氏=日本維新の会=の陣営幹部は「柵をよじのぼって、選挙カーの上の候補者と同じ高さで太鼓をたたき続けられた」「候補者が練り歩いている際、走ってきたので運動員が止めて、もみ合いになり、運動員のスマートフォンがたたき落とされ、壊された」と訴えた。(井上真典、佐藤裕介、鈴木里奈) 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。