東京・銀座の高級クラブに火を付けたとして、警視庁は住居不定、無職の稲本恵司容疑者(38)を非現住建造物等放火の疑いで逮捕し、17日に発表した。「店に火を付けるようなことはしていないし、銀座にも行っていない」と容疑を否認しているという。

 捜査1課によると、稲本容疑者は3月18日午前4時20分ごろ、東京都中央区銀座8丁目の雑居ビルに入る高級クラブの更衣室に火を付け、一部を焼いた疑いがある。当時店は営業しておらず、けが人はいなかった。

 同課によると、稲本容疑者は一昨年12月までこのクラブに勤務。店の裏口の鍵がかかっていないことを知っており、裏口から侵入したという。

 同課が店内の防犯カメラを確認したところ、事件2日前の16日午後2時ごろ、大仏のお面をかぶった稲本容疑者とみられる男が店内に侵入し、店の更衣室の防犯カメラに布をかぶせる様子が映っていた。更衣室には高級ウイスキーなどが置かれており、男が物色する様子も一部映っていた。男はその後、放火事件の数時間前にも更衣室に侵入し酒を物色していたという。同課は窃盗事件とみて調べている。(遠藤美波)

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