聖徳太子と愛犬「雪丸」にゆかりのある達磨寺(だるまじ)(奈良県王寺町)で13日、伝統行事の達磨会式があった。恒例の稚児行列に加え、今年は新たな試みとして犬たちが境内を練り歩く「わんわん稚児行列」が催された。

 寺には太子の飼い犬と言い伝えられている雪丸の墓があるとされ、愛犬家が七五三に詣でるなど犬との関わりが深い。寺や同町は、地域の一員として飼い犬にも行事に参加してもらおうと、実験的に犬の稚児行列を実施することにした。

 同町在住で町のマスコットキャラクター雪丸の衣装を手がける上村美奈子さん(46)が、愛犬家仲間に声をかけ、県内外からボーダーコリー、ゴールデンレトリバー、トイプードルの計12頭が集合。羽織はかまや振り袖風の和服をまとい、参拝客に見守られながら、山門から本堂前までの約60メートルを練り歩いた。

 愛知県豊橋市から4頭の犬と参加した田嶋明さん(56)は「初めてのわんこの行列に参加できて、良い記念になりました」。上村さんも「静かな空気で落ち着いて歩けました。これを機に県外の人にも王寺町や雪丸について知ってもらえたら」と話した。

 町観光協会は今回の行列を検証し、今後のイベントに生かしていきたいとしている。寺の日野周圭住職(76)は「面白いですね、ぜひ続けたいです」と期待を寄せた。(上田真美)

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