浜松市浜名区で13日午後、女児がはねられて死亡した事故で、静岡県警浜北署は14日、被害者は近くの小学4年生、沢木陽菜さん(9)と判明したと発表した。

 事故を起こしたごみ収集車を運行するリサイクルクリーンの藤城太郎社長らが同日午前、記者会見して遺族に改めて陳謝した。運転手の危険な走行が原因だったのではないかとの見方を示しつつ、安全管理は徹底してきたと説明した。

 事故は13日午後3時20分ごろ、信号のない横断歩道で起きた。同社が浜北署から聞きとったところでは、ごみ収集車は時速40キロほどで走行していたとみられ、右から来た女児をはねた模様だ。

 自転車も現場に残されていたが、乗っていたのかどうかや、ヘルメットをかぶっていたかどうかなどは分からない、としている。地元住民によると、普段から車の往来が多い場所だという。

 自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)の容疑で逮捕され、過失致死での調べを受ける社員(60)は2004年に入社。21年5月に事故を起こしたことがあるものの、その後はドライブレコーダーの記録でも、急ブレーキや急ハンドルの記録はなかった、としている。当日朝も、疲れていたり、アルコールが検知されたりといったことはなく、普段通りの業務についたという。担当者は「安全運行に意を尽くしてきただけに、悔やまれる」などと話した。

 同社の担当者は13日夜、浜北署で女児の父親と会って謝罪した。「何を言っても娘はかえってこない」との反応だったという。藤城社長は14日の会見で「ひとりの人間がいなくなってしまった。本当に申し訳ないというほかない」などと語った。

 同社は、家庭ごみ収集の委託を浜松市から受けている。今回は独自の事業のさなかだったが、市はごみ収集の委託先などに、改めて安全の徹底を求めたほか、廃棄物収集運搬の許可業者約50社を16日に集めて安全運行を促す考えだ。(青田秀樹、本間久志)

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