4月に投開票された衆院東京15区補選で、他候補の選挙活動を妨害したとして、警視庁捜査2課は13日午前、政治団体「つばさの党」の事務所（東京都千代田区）など3カ所に公職選挙法違反（選挙の自由妨害）容疑で家宅捜索に入った。捜査関係者への取材でわかった。

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　選挙活動のあり方を巡って議論を呼んだ行為は刑事事件に発展した。

　同法違反の疑いが持たれているのは、つばさの党の黒川敦彦代表（45）=埼玉県朝霞市=、同党の候補者だった根本良輔幹事長（29）=東京都練馬区=、同党運動員の3人。捜索の対象は同党事務所のほか、黒川、根本両氏の自宅。

　3人は選挙期間中、他候補の街頭演説中に拡声器を使って話したり、走行中の他候補の選挙カーを追いかけたりし、選挙の自由を妨げた疑いがある。捜査関係者によると、警視庁に多数の陣営から被害の申告が寄せられ、同庁は被害届を順次受理しているという。警視庁は、3人の立件を視野に捜査を進める方針。

　警視庁は4月18日、告示日の同16日にJR亀戸駅前で、演説中の無所属新顔の乙武洋匡氏の前で演説に重ねてマイクで「説明しろよ」などと話し続け、車のクラクションを鳴らすなどして演説を妨害した疑いがあるとして、同法違反の疑いで警告を出していた。

　東京15区補選は公職選挙法違反の罪で有罪となった柿沢未途前法務副大臣=自民を離党=の辞職に伴うもので、立憲や日本維新の会、諸派を含む9候補の混戦となった。立憲が擁立した地元・江東区の前区議、酒井菜摘氏（37）が、維新新顔の金沢結衣氏（33）、国民民主党や小池百合子・東京都知事が率いる地域政党「都民ファーストの会」が推薦する無所属新顔の乙武洋匡氏（48）らを破り、初当選した。（福冨旅史、三井新）

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