兵庫県姫路市の飾磨消防署は、防火を呼びかける広報活動に力を入れている。地元出身の漫才コンビ「ミルクボーイ」を招いた消防フェアを開催したことなどが評価され、市役所内の広報活動を表彰する広報アワード2023で大賞を受賞した。高校生と一緒に取り組む「防火プロジェクト」も広報活動の一環。9日には現役消防士が市立飾磨高校を訪れ、防火授業を開いた。

 全校生徒が集まった飾磨高校の体育館のステージに、飾磨消防署の八十(やそ)圭佑・消防士長(27)が上がった。生徒代表の3人と語り合うスタイルで、火災を起こさないために注意すること、火災現場で助かるためには身を低くして壁伝いに進むことなどを伝えた。

 八十さんが今春異動してきた飾磨消防署には、予防担当の森下真資(まさし)・消防司令補(37)がいた。八十さんが中学生の職場体験で消防署に行った際に出会ったのが森下さんだった。「消防士を目指すきっかけになった存在」という森下さんと、火災予防の広報活動を担当することになった。

 飾磨消防署と飾磨高校で進める「防火プロジェクト」は、高校生のアイデアで火災を防ぐ取り組みだ。昨年度は、書道部が書いた火災予防の書道作品を消防車に掲示したり、美術アニメーション部が動画を作成したりという成果があった。昨年度も防火プロジェクトを担当した森下さんは「新年度は、ぜひ運動部ともコラボしたい」と話す。

 若い世代を巻き込んで火災予防の広報を進める理由には、避難に時間がかかる高齢者世帯へアプローチしたいという思いがあるという。特に有効なのが住宅用火災警報器(住警器)の設置だ。防火授業で八十さんは、「おじいちゃん、おばあちゃんの家に行って、住警器が付いているか、電池が切れていないか、ぜひみなさんが確かめてください」と呼びかけた。(宮沢崇志)

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