長崎原爆に遭いながら国の援護区域外にいて被爆者と認められていない「被爆体験者」と、広島で原爆投下後に降った「黒い雨」の被害者の救済について考えるシンポジウムが12日、長崎市内で開かれた。被爆者認定を求めるそれぞれの訴訟の原告側弁護士などが出席し「両者は同じような構造で援護を否定されてきた。政府は全ての黒い雨被害者と被爆体験者を被爆者として認定し、援護すべきだ」と訴えた。
訴訟を巡っては、国による援護の「特例区域」外で「黒い雨」の被害を受けた広島の原告が2021年7月の広島高裁判決で勝訴し、国側が上告を断念して判決が確定した一方、長崎の被爆体験者と遺族らによる訴えは今年9月に長崎地裁で判決が言い渡される予定。
長崎訴訟の岩永千代子原告団長は「いろいろな症状に悩んでいるが、同情されるのではなく、ただ被爆者として認めてほしい」と思いを吐露した。
広島訴訟の弁護団の竹森雅泰弁護士は、高裁判決を受けて新たな被爆者認定基準の運用が始まったものの、41人が認定を却下されたと説明した。
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