国が購入した新型コロナの高額な飲み薬560万人分のうち、約77%に当たる約430万人分が使われるめどが立たないまま残ったことが11日、分かった。厚生労働省によると、メーカーによる薬の一般流通が始まった上、感染症法上の位置付けが5類に移行し、緊急時を除いて国の購入分を出荷できなくなった。消費期限を迎えたものから廃棄される見通し。国の公表資料などを基に算出した。  五十嵐中・東京大特任准教授(医療経済学)は「薬が不足した場合は健康リスクが生じ、多すぎた場合は金銭的損失がある。それぞれどこまで許容するか、次の感染症に向けて議論が必要だ」と話している。  厚労省によると、塩野義製薬のゾコーバは計200万人分を購入した。MSDのラゲブリオは160万人分、ファイザーのパキロビッドは200万人分を確保。  公表されている購入数と出荷数の資料などから計算すると、24年3月末時点でゾコーバ約177万人分、ラゲブリオ約78万人分、パキロビッド約175万人分が使われずに残っていた。単純計算すると計3千億円超に相当する。


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