米国の水爆実験に遭遇した日本のマグロ漁船と乗組員らの被害を伝える「第五福竜丸展示館」(東京都江東区)で10日、子どもたちが描いたこの船の絵の展示が始まった。7月上旬まで。漁船が1954年3月1日に被ばくした「ビキニ事件」から70年。展示館は、市民運動が結実して保存された「みんなの船」の歴史を伝え続けている。

水爆実験による被ばくから70年を迎える第五福竜丸

 被ばくした船が中央に置かれた館内に、全国の小中学生から寄せられた50点を展示。花に囲まれた船や、下から見上げた船首、暗闇を背景に赤色の船が浮かぶ様子など、思い思いに描いた個性豊かな作品が並ぶ。  展示館では11日、ドキュメンタリー「第五福竜丸」(1959年、新藤兼人監督)の復刻版の無料鑑賞会がある。廃盤になったDVDを同館がブルーレイで復刻し、2009年に開かれた作中音楽のコンサート映像なども追加した。

会場に展示された全国の小中学生が描いた第五福竜丸の絵

 学芸員の市田真理さん(56)は「絵を描く、展示を見る、映像を鑑賞するなど、いろいろな入り口から第五福竜丸のことを知ってもらえたら」と話した。  映画は午後5時から上映(受け付けは4時半から)で、約50席を用意。ブルーレイは3000円で販売している。問い合わせは、同館=電03(3521)8494=へ。(鈴木里奈) 

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