東京都港区のJR田町駅からほど近い歩道橋に10日、大量のミツバチが発生し、一帯が騒然とした。専門家は「『巣分かれ』にともなう『分蜂群』と思われる。攻撃性は弱く、人に危害を与える可能性は低い」としている。

 10日午後2時ごろ、田町駅から約300メートル北西にある「札の辻交差点」にかかる歩道橋の手すりに大量のミツバチが集結。茶色い塊となっていた。付近を飛び交うハチも少なくなく、通行人たちは不安そうな表情を浮かべていた。

 歩道橋は、通行はできるが現在工事中。常駐している作業員の1人によると、昼ごろ、ハチが渦をまくように飛び交いはじめ、その後、手すりに集まり始めたという。騒ぎを受けて、区みなと保健所は公式Xで「害はないので、近づかず見守ってください」などと呼びかけた。

 玉川大学ミツバチ科学研究センターの原野健一教授によると、いまはミツバチの繁殖期で、娘に巣を譲った女王蜂が数千から2万ほどの働き蜂と一緒に飛び立ち、新たな巣に向かう。その道中、一時的にとどまったと考えられる。「通常、歩道橋の上に巣を作るようなハチではないので、数時間で飛び立つはず。ただ、あまりに長い間とどまっていると、巣を作って定着する可能性も否定はできない」という。(滝沢貴大)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。