東京労災病院(東京・大田)の医療機器調達を巡る汚職事件で、警視庁捜査2課は10日、別に現金約20万円の賄賂を受け取っていたとして、同病院の整形外科副部長で医師、浅沼雄太容疑者(41)を収賄容疑で再逮捕した。
光学機器大手HOYA子会社でインプラント製造・販売の「HOYA Technosurgical(テクノサージカル)」(同・新宿)社員、小野田大容疑者(46)と加藤高彰容疑者(39)の2人についても贈賄容疑で再逮捕した。
浅沼容疑者の再逮捕容疑は2022年6〜9月ごろ、人工関節などに使用する同社製の金属製インプラントの使用を増やす便宜を図った見返りに、小野田、加藤の両容疑者から現金計約20万円を受け取った疑い。同課は3人の認否を明らかにしていない。
1回目の逮捕分と合わせ、同課が立件した額は計約80万円となった。
捜査関係者によると、労災病院の手術で使われたインプラントの数に応じて浅沼容疑者にポイントが付与され、1ポイントを1万円として換金していた。浅沼容疑者は飲食代などの領収書を加藤容疑者に渡してポイント分の現金を受け取っていた。
浅沼容疑者は整形外科副部長として手術に使う機器を選ぶ権限があった。事件当時、小野田容疑者はHOYAテクノ社の営業部長で、加藤容疑者は部下だった。
ポイント制は小野田、加藤の両容疑者が持ちかけた。加藤容疑者が労災病院の営業担当になった18年までは同社製品はほとんど使われていなかったが、同年以降は同病院での使用率が急増した。
東京労災病院は1949年設立で独立行政法人労働者健康安全機構が運営する。同機構の職員は法令で「みなし公務員」とされ、職務に関し賄賂を受け取った場合は収賄罪が適用される。
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