将棋の福間香奈女流王位(32)=清麗・女流王座・女流名人・倉敷藤花=に加藤桃子女流四段(29)が挑む第35期女流王位戦5番勝負(東京新聞主催)の第2局が9日、札幌市のホテルエミシア札幌で指され、午後6時14分、後手番の福間が98手で勝ち、2連勝で6連覇に王手をかけた。

感想戦で対局を振り返る福間香奈女流王位=9日、札幌市で

 持ち時間各4時間のうち残りは加藤2分、福間21分。第3局は23日に福岡県飯塚市の麻生大浦荘で指される。  後手の福間が2二飛(8手目)と向かい飛車に構えた本局。加藤は後手の囲いが整う前に5筋と3筋の歩を突き捨て、4六銀(27手目)と積極的に仕掛けた。4筋から攻勢を続ける加藤に対し、福間も反発。互いに飛車を成り込んで激しい攻め合いとなった。  福間が2八飛(72手目)と先手陣を側面から攻めると、加藤は5九香(79手目)と攻防に打った。しかし福間の5八歩(80手目)から8八金(82手目)が鋭い決め手。加藤は27分考えて受けの手を指したが、既に先手陣は収拾がつかない状態で、その後は福間が緩みなく寄せ切った。  立会人の広瀬章人九段(37)は「両者とも持ち味が出た将棋だった。福間女流王位がうまく持ちこたえ、一瞬の隙を突いた。加藤女流四段が押し気味だっただけに、悔やまれる敗戦だった」と解説した。対局の模様は東京新聞ウェブでも紹介している。

◆福間「読み切っていたわけではないが」

 福間香奈女流王位の話 9五歩(39手目)と端に手を付けられ、苦しくしてしまった。9四歩(57手目)と打たれる手を見落とし、自信がなかった。5八歩(80手目)は読み切っていたわけではないが、攻めが続けばと思った。  加藤桃子女流四段の話 序盤は模様がいいと思ったが、具体的にどうしたらいいかわからなかった。5九香(79手目)はあまり良くなく、もうちょっと何かなかったか。8八金(82手目)をうっかりしてしまい、ダメにしてしまった。 

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