目次

  • “進展兆しなし”もエジプトでの交渉継続か

  • 南部ラファで激しい攻撃続く

“進展兆しなし”もエジプトでの交渉継続か

イスラエルとハマスの間の戦闘の休止と人質解放に向けた交渉で、ハマス側は仲介国が示した提案を受け入れるとしたのに対し、イスラエル側は人質の解放などの中核的な要求を満たすにはほど遠いとしながらも、仲介国のエジプトに交渉団を派遣しています。

ロイター通信は交渉は8日も行われ、イスラエル当局者の話として「進展の兆しはないが、交渉団はエジプトに残る」と伝えています。

また、イスラエルのメディアなどはアメリカのCIA=中央情報局のバーンズ長官が8日、戦闘の休止と人質の解放をめぐりネタニヤフ首相と会談したと報じています。

バーンズ長官は直前にエジプトやカタールを訪問していたということで、アメリカや仲介国の働きかけで双方の立場の隔たりを埋められるかが引き続き焦点になっています。

南部ラファで激しい攻撃続く

一方、避難者など120万人が身を寄せるガザ地区南部のラファでは地元メディアが8日、中心部にある住宅が空爆を受けたと伝えていて、イスラエル軍が住民に退避を通告した東部以外でも激しい攻撃が続いています。

また、イスラエル軍は8日、ラファ東部で地上部隊による作戦を続け、ハマスの地下トンネルを破壊したと発表するなど、ハマスに対する軍事的な圧力を強めています。

ただ、ハマス側は「軍事的な圧力のもとでは停戦や人質解放の新たな取り組みには応じられない」としていて、交渉が進展するか注視されています。

イギリスの大学でガザ攻撃に抗議行動

イスラエルによるガザ地区への攻撃をめぐってはアメリカ各地の大学で抗議デモが続き、これまでに多数の逮捕者も出ています。

こうした中、イギリスでも10以上の大学で抗議活動が行われていて、このうち名門として知られるケンブリッジ大学では「パレスチナに正義を」などと 書かれた横断幕が掲げられ、学生や職員が敷地内に50近いテントを並べて寝泊まりしています。

学生たちは大学側に対し、イスラエルと取り引きがある軍事会社に大学の基金から出資しないことや、こうした企業から研究費を受け取らないことなどを求めています。

抗議活動に参加している男子学生は「私たちの学費が、納得できない目的のために使われないようにしなければならない。大学側が私たちの要求を聞き入れるまで抗議を続けていく」と話しました。

これに対してスナク首相は7日の閣議で「キャンパス内での反ユダヤ主義の高まりは受け入れられない」と述べ、9日、首相官邸に各大学の責任者を呼んで断固とした対応をとるよう求める方針です。

米長官 イスラエルの弾薬輸送一部停止を明らかに

イスラエルへの軍事支援を続けてきたアメリカのオースティン国防長官は8日、議会上院の公聴会で「状況を鑑み、われわれは威力の強い弾薬の輸送を停止した」と述べ、イスラエルへの弾薬の輸送を一部停止したと明らかにしました。

その上でオースティン長官は「われわれは当初から、イスラエルが戦闘地域にいる民間人を保護せずにラファで大規模な攻撃を始めるべきではないと明言してきた」と述べました。

去年10月、ガザ地区で戦闘が始まって以来、アメリカがイスラエルへの弾薬の輸送を停止したことを明らかにしたのは初めてです。

アメリカはラファへの大規模な地上作戦を支持しない立場を繰り返し示していて、イスラエルに対し慎重な対応を促すとともに、戦闘が長引き民間人の犠牲が拡大する中、イスラエルへの軍事支援を続けていることに対する国内外からの批判をかわす狙いもあるとみられます。

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