パレスチナ自治区ガザでの戦闘休止と人質解放の交渉について、米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は5日、イスラエルとイスラム組織ハマスは数日前に合意に迫っていたが、ネタニヤフ首相の強硬姿勢によってハマスの態度が硬化し、交渉が行き詰まったと報じた。

 ハマス幹部のアブ・マルズーク氏はNYTの電話取材に対し、「我々は(合意に)非常に近づいていたが、ネタニヤフ氏の偏狭さが合意を頓挫させた」と語った。ネタニヤフ氏は4月30日、約150万人の避難民が身を寄せるガザ最南部ラファをめぐり、国際社会の反発をよそに「交渉が成立してもしなくても、我々はラファに入る」と述べ、地上侵攻する意思を示していた。

 NYTは匿名のイスラエル当局者の情報として、ハマスはネタニヤフ氏の発言を受け、ラファ侵攻を確実に阻止すべく、イスラエル側への要求を強めざるを得なくなったとしている。ハマスは、イスラエルが合意の一部だけを履行した後に戦闘を再開させないよう保証を求めているという。

 一方、NYTは匿名の米政府高官2人が、交渉が行き詰まったとする見方を否定したとも報じている。

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