石破茂首相は10日、首相官邸でフィンランドのオルポ首相と会談した。安全保障や科学技術での連携を協議し、防衛装備品・技術移転協定の交渉開始で一致した。ロシアによるウクライナ侵略に関し、北朝鮮による兵士派遣などロ朝軍事協力の進展への懸念を共有した。
中国や北朝鮮など東アジア情勢についても話し合った。石破首相は冒頭で「現下の非常に厳しい国際情勢は両国をさらに強く結びつけている」と語った。
科学技術分野は高速通信規格やスーパーコンピューターで連携を深める。フィンランドは通信機器大手ノキアなど世界的企業を有する。
フィンランドはロシアによるウクライナ侵略後に長年の「軍事的非同盟」政策を転換した。2023年4月に米欧の軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)に加盟している。
北欧諸国を巡ってはスウェーデンも24年3月にNATOに加わった。4日には石破首相が来日したクリステション首相と会談している。
日本の外務省の担当者は「北欧各国でウクライナ侵略に関心が高まり、ロシアを挟んで反対側に位置する日本と協力したい意思が強くなっている」と説明する。
日本とフィンランドは16年に「戦略的パートナーシップ」を結んでいる。フィンランド首相の来日は22年の当時のマリン首相以来およそ2年半ぶり。24年1月には当時の上川陽子外相が日本の外相としては39年ぶりにフィンランドを訪れた。
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