【ニューヨーク=清水石珠実】広告業界で世界3位の米オムニコムは9日、同業で4位の米インターパブリック・グループを買収することで合意したと発表した。2社を合わせた時価総額は、約300億ドル(約4.5兆円)。人工知能(AI)の普及で広告制作の現場は転換期を迎えている。統合を通じて規模の拡大と経営の効率化を目指す。
買収は、株式交換を通じて実施する。インターパブリックの株主は、保有株1株あたりオムニコム株の0.344株を受け取る。両社の株主による承認を経て、2025年7〜12月に手続きの完了を目指す。ロイター通信によると、買収額は約132億ドルに相当する。
オムニコムは、買収を通じて年間7億5000万ドルのコスト削減効果を見込む。23年実績ベースで、2社の売上高を合わせると売上高は256億ドル。米メディアによると、世界の広告市場でも首位の英WPPや2位の仏ピュブリシス・グループを抜き、世界最大の広告会社になる。
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