シリアで反体制派の攻勢が強まっている=AP

【イスタンブール=時事】ロイター通信は6日、内戦下のシリアでアサド政権の支配下にあった東部の要衝デリゾールがクルド人主体の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」に掌握されたと伝えた。北西部を拠点としていた反体制派「シャーム解放機構」(HTS、旧ヌスラ戦線)も攻勢を続けており、シリア情勢は一段と不安定化している。

SDFは過激派組織「イスラム国」(IS)掃討などを理由に米国の支援を受け、北東部の広範囲を実効支配している。デリゾールは2017年、アサド政権がISを駆逐して奪還していた。ロイターによれば、SDFは6日、かつてIS最後の拠点とされた対イラク国境近くの東部アブカマルも掌握した。

シリアでは、11月27日に大規模攻勢を開始したHTSがシリア第2の都市である北部アレッポのほか、中部ハマを相次いで制圧。HTSは中部の要衝ホムスへ進軍しており、6日には「ホムス郊外の最後の村を解放した」と主張した。

在英のシリア人権監視団によると、南部スワイダでも今月6日までに政権軍と地元の武装勢力が衝突し、アサド大統領率いるバース党の建物や刑務所、警察本部などが占拠された。人権監視団はスワイダの状況について「政権の支配はほぼ及んでいない」としている。

人権監視団はまた、内戦勃発のきっかけとなった反政府デモが起きた南部ダルアーに近い隣国ヨルダンとの検問所も、武装勢力に制圧されたと発表した。

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