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プラスチック削減 へ 「量り売り」で販売
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ドイツの「量り売り」店 物価高騰で苦戦
世界のプラスチックごみの量は2019年までの20年で2倍以上に増え、各国はプラスチックによる環境汚染を防ぐため法的拘束力のある国際条約をことし中にとりまとめることを国連で決議し11月25日から韓国・プサンで始まった最後の政府間交渉委員会で条文案の合意を目指しています。
焦点となっているプラスチックの生産量の規制などをめぐり意見の対立が続く中、1日午後、予定よりも遅れて議長から新たな条文の素案が示され、このあと最後の全体会合が行われることになっています。
素案では生産量の規制について
▼世界的な削減目標を設け、各国が目標達成のためにとった対応やデータを報告するという案と、
▼プラスチックの原料となる石油の産出国などが規制に強く反対していることを踏まえ条約に盛り込まないという案の対照的な2つの選択肢が示されたままで多くの表現が「保留」とされ定まっていません。
一方で、
▽マイクロプラスチックや「ゴーストギア」と呼ばれる海に放置されたり捨てられたりした漁網など環境中へのプラスチックの流出防止策を各国に義務づけることや、
▽プラスチックを生産した企業などが廃棄やリサイクルの段階まで責任をもつ「拡大生産者責任」と呼ばれる考え方を取り入れることについては「保留」とされた部分がほとんどなくなり意見の相違がなくなりつつあることを伺わせます。
プラスチックによる環境汚染を防ぐための初めてとなる国際条約の案の合意を目指す交渉は大きな意見の隔たりが残ったまま合意に至ることができるか不透明な状況になっています。
参加国の一部は会見
政府間交渉委員会が予定された最終日を迎えた1日、参加国の一部は会見を開きプラスチックによる環境汚染の防止に向け、実効性のある案で合意するよう訴えました。
【EU “実効性のある案で合意を”】
このうち、焦点となっているプラスチックの生産量の規制について、一律で規制する必要があるとする立場を取るEU=ヨーロッパ連合は1日午前、記者会見を開き「この会場にいる大多数の国が、プラスチック汚染を終わらせるために、拘束力のある条約を、前進させる必要があることについて同意している」と述べ実効性のある案で合意するよう訴えました。
【フィジー “野心的な条約を結ぼうとしないなら脱退を”】
フィジーは、生産量の規制に反対する産油国やロシアなどを念頭に「もし野心的な条約を結ぼうとしないなら、交渉から脱退してほしい」と訴えました。
【ガーナ “自分たちの利害や経済、発展ばかり”】
また午後の会見でアフリカの国などは議長が示した新たな案は表現が後退しておりプラスチックの環境汚染を防止するには十分ではないなどとして強く反発しました。
このうち、ガーナは「人々はプラスチック汚染という共通の敵に目を向けることなく自分たちの利害や経済、発展ばかりみている」と述べて強い不満を示しました。
プラスチック削減 へ 「量り売り」で販売
プラスチックの容器や包装のごみを減らそうと、京都市や都内に店舗があるスーパーでは店内のほとんどの商品を「量り売り」で販売しています。
このスーパーでは客がビンや袋などの容器を持ち込み、必要な分をはかりで量って、購入する仕組みで、一般的には包装して売られている砂糖や塩、小麦粉のほか、パスタなどの乾麺も、欲しい分量だけ購入できるようになっています。
また、野菜などは指定した大きさに店内で切ってもらうことができます。
スーパーによりますと、ビンなどの容器は「預かり金」=「デポジット」の仕組みで貸し出していて、肉類のほか、洗剤などについても、「量り売り」で販売しているということです。
スーパー「斗々屋」(ととや)のノイハウス萌菜(もな)さんは「ごみを出さないスタイルは購入する消費者も分別などの手間が減るほか、販売する側にとっても容器代が削減できてそれぞれメリットがあります。一方で、企業や消費者任せでは限界があるので、国がある程度のルールづくりを行って取り組む必要があると思います」と話していました。
ドイツの「量り売り」店 物価高騰で苦戦
プラスチックによる環境汚染が世界的な課題となる中、ヨーロッパではプラスチックの容器や袋を減らすため、ほとんどの品物を量り売りで販売する店が広がっています。ただ、物価の高騰などで多くの店が閉店に追い込まれ継続が課題となっています。
ヨーロッパでは、環境意識の高まりとともに、フランスやドイツなどでプラスチックの容器や袋を減らそうと、食料品などを量り売りで販売する店が広がっています。
このうち、ドイツ北部ハンブルクの店では、パスタや豆などにとどまらず、洗剤といった日用品も量り売りで売っていて、客は持参したガラスの瓶に詰めて買い求めていました。
また、プラスチック削減を徹底するため地元産の固形シャンプーなども販売しています。毎週のように訪れるという男性は「プラスチックを減らすため日常的に簡単にできる方法を探すことはとても重要だ」と話していました。
この店は、地元の女性たちがクラウドファンディングで資金を募り、4年前にオープンしました。ただ、店の売り上げはピークの半分ほどに落ち込み、経営は厳しいといいます。
売り上げが落ちている背景について、店の経営者は、ロシアのウクライナ侵攻の影響などによる物価の高騰が大きいと話していました。
さらに、新型コロナの感染拡大や世界各地で紛争が相次いでいることで、環境保護への意識が相対的に薄れているのではないかと指摘していました。
変化は店舗数にも現れていて、ドイツの量り売りの店でつくる協会によりますと、現在は230店舗で、ピークだった4年前から100店舗以上減っているということです。
店を経営するリュバチェクさんは「私たちは諦めない。私が使い捨てのプラスチックを使っても大したことではないが、ハンブルクや世界中の誰もが同じことをしたら、それは大量のごみになる」と、取り組みを続ける考えを強調していました。
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