イスラエルの空爆後、煙が立ち込めるベイルート南部(25日)=ロイター

【エルサレム=共同】イスラエル軍は25日、レバノン首都ベイルート郊外を含むレバノン各地の親イラン民兵組織ヒズボラの拠点、計約25カ所を空爆したと発表した。声明で「ヒズボラの攻撃能力が低下するまで軍事作戦を続ける」と強調した。レバノン保健省によると、昨年10月の戦闘開始以降、24日までのレバノン側死者は3768人。

国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は25日、イスラエル軍が10月25日にレバノン南部ハスバヤで実施した空爆で民間人を「意図的に攻撃した可能性が高く、明らかに戦争犯罪だ」と発表した。

兵器の残骸の分析から、米国製の精密誘導装置「JDAM」を搭載した爆弾が使われたと断定。供与した米政府についても「戦争犯罪に加担した恐れがある」と指摘した。空爆でヒズボラ系テレビ局のスタッフら3人が死亡したという。

一方、イスラエルメディアによると、極右のスモトリッチ財務相は25日、パレスチナ自治区ガザの人口を「自発的移住の奨励」によって「2年以内に現在の半分以下にすることは可能だ」と述べ、実現すればイスラエルがガザを全面掌握できると主張した。強制移住につながる可能性がある。

イスラエル軍は25日もガザ各地で攻撃を継続。ガザ保健当局によると、昨年10月の戦闘開始以降、ガザ側の死者は4万4200人を超えた。

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