ラオスの首都、ビエンチャンで開かれたASEAN拡大国防相会議にはASEANの10か国のほか、日本の中谷防衛大臣やアメリカのオースティン国防長官それに中国の董軍国防相ら8か国から代表が出席しました。
この中でフィリピンのテオドロ国防相は中国が今月、南シナ海のスカボロー礁で領海を示す根拠となる「領海基線」を一方的に発表したことを念頭に、「生産的で率直な議論をしたい」と述べました。
その後、会議は非公開で行われ、外交筋によりますとフィリピン側は中国に対し国際法の順守と主権の尊重を求め、オースティン長官も中国の行動が地域全体の安定を損なっていると非難し「同盟国やパートナー国とともに、南シナ海での活動を通じて地域の安全を守り続ける」と宣言したということです。
これに対して中国の董国防相は、「この地域に新たな組織やブロックを作るべきではない」などとアメリカの関与を批判したということです。
ASEAN諸国としては、今回の一連の会議を通じて来年、アメリカと海上合同訓練を行うことを決めるなど、中国が海洋進出を強める中で、トランプ次期政権のもとでもアメリカがこの地域に関与を続けることの重要性を強調する形となりました。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。