【NQNニューヨーク=三輪恭久】15日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落して始まり、午前9時35分現在は前日比141ドル37セント安の4万3609ドル49セントで推移している。物価上昇の圧力が根強く残るなかで、米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが市場の想定より緩やかになるとの観測から、株式に売りが出ている。ダウ平均の下げ幅は300ドルを超える場面がある。
今週発表の米物価指標は総じてインフレ圧力の根強さを示しており、FRBのパウエル議長は14日の講演で、利下げを急ぐ必要はないとの考えを述べた。シカゴ連銀のグールズビー総裁は15日朝の米CNBCの番組で、物価上昇率がかなり高いとの認識を語った。複数のFRB高官が利下げ判断を慎重に進める考えを示しており、市場では12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを見送るとの観測が浮上している。
15日朝発表の10月の米小売売上高は前月比0.4%増と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.3%増)を上回った。9月分も上方修正した。ニューヨーク連銀が同日発表した11月の製造業景況指数は31.2と、市場予想を大きく上回った。15日朝の米債券市場では長期金利が上昇し、一時は4.50%と6月上旬以来の高水準になった。金利の上昇で株式の相対的な割高感が意識され、ハイテク株を中心に売りが出ている。
個別ではアマゾン・ドット・コムやエヌビディア、セールスフォースなどが安い。アムジェンとメルクも下落している。一方、ウォルト・ディズニーとJPモルガン・チェースは高い。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は4日続落して始まった。半導体製造装置のアプライドマテリアルズが下落している。前日夕に四半期決算の発表と同時に示した2024年11月〜25年1月期の見通しが慎重と受け止められ、売りが出ている。
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