米債務残高と延滞は増え続けている

【ニューヨーク=佐藤璃子】ニューヨーク連銀が13日発表した四半期報告書によると、7〜9月期の米国の家計債務残高は全体で17兆9430億ドル(約2800兆円)と前四半期から0.8%増加し、データを遡れる2003年以降で最高となった。債務拡大にともない、延滞率も前期から上昇した。

ローンのタイプ別でみるとクレジットカードのローン債務残高が前四半期比で2.1%増と最も増加幅が大きく、1兆1660億ドルとなった。学生ローンは同1.3%増の1兆6060億ドル、自動車ローンは1.1%増の1兆6440億ドルとなった。家計債務全体の7割を占める住宅ローンの残高は、同0.6%増の12兆5900億ドルに膨らんだ。

負債全体の延滞率は上がった。7〜9月に新たなに支払いが30日以上遅れた割合は同0.18ポイント上昇し、4.13%となった。ただ、同期間のクレカの延滞率は8.79%と同0.26ポイント下がり、約3年ぶりに前期比マイナスとなった。

ニューヨーク連銀は、所得の伸びが債務残高の伸びを上回っているとも明らかにした。今回の調査でクレカの延滞率が下がったことを受けて、調査担当者らは「もしこの傾向が続けば、債務負担の増加は依然として対処可能な水準であることを示唆するだろう」との見解を示した。

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