国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)の締約国会議は11日、カーン主任検察官が同僚の女性に性的な嫌がらせをしたとする疑惑について、外部調査を実施すると発表した。同氏は疑惑を否定している。

 カーン氏を巡っては、英紙ガーディアンなどが10月中旬から下旬に疑惑を報じた。これを受けてICC締約国会議は10月24日、ICCの監察部門・独立監督メカニズム(IOM)が調査を着手したと発表。だが、締約国会議のカウコランタ議長は今月11日の声明で、「完全に独立し、公平で公正な手法を確保する」とし、IOMではなく外部調査をする方針を明らかにした。調査方法は最終調整中だとしている。

 カーン氏は10月24日の時点で、自身のX(旧ツイッター)で「私は30年にわたり様々な状況で働いてきたが、そのような苦情が寄せられたことがない」と疑惑を否定し、「現在ICCは、幅広い攻撃や脅迫にさらされている」と記した。

 カーン氏は2021年にICCの主任検察官に就任。23年にはロシアのウクライナ侵攻をめぐり、ロシアのプーチン大統領らに戦争犯罪の疑いで逮捕状を請求。今年5月には、パレスチナ自治区ガザの戦闘でイスラエルのネタニヤフ首相らに逮捕状を請求した。(ブリュッセル=森岡みづほ)

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