中国南部の広東省珠海で12日から始まった航空ショーは、2年に1度、中国の軍用機やドローン、それに民間の航空機などが公開される中国最大規模の展示会で、ことしは130機余りが展示されています。
航空ショーでは初めて、中国空軍の最新鋭のステルス戦闘機「殲35A」(せん)が一般公開されました。
ただ、会場の上空にわずかな時間現れたのみで、観客席からは詳しい姿は見られませんでした。
「殲35A」は中国軍にとって、すでに運用している大型の「殲20」に次ぐ中型の多用途ステルス戦闘機で、国営メディアは「同時に2種類のステルス戦闘機を持つ国は、中国が世界で2番目となる」と誇示しています。
また、会場にはステルス性能があるとする軍事用ドローン「彩虹7」の実物の機体も初めて展示され、航空戦力の増強ぶりをアピールしていました。
一方、今回の航空ショーには、ロシアから最新鋭の戦闘機「スホイ57」が初めて参加したほか、ロシアのアクロバット飛行チームが8年ぶりに参加し曲技飛行を披露していて、中国としてはロシアとの協力強化をアピールし、日本やアメリカなどをけん制するねらいもあるとみられます。
最新鋭戦闘機「殲35A」 これまでの「殲20」との違いは
中国メディアは、軍事専門家の話として、これまでの「殲20」は大型の戦闘機で空中戦を中心とする任務を担うのに対し、「殲35A」は中型の多用途戦闘機で、空中戦に加え地上や海上への攻撃任務も担うとしています。
また「殲35A」は空軍の戦闘機ですが、今後は派生型として海軍向けに開発され、中国の新型空母「福建」などで運用されるとの見方が報じられています。
こうしたことを踏まえ、軍事専門家は「同時に2種類のステルス戦闘機を持つのは、アメリカに続いて2番目だ。2機を組み合わせることで複合的な作戦が可能となる」と、その意義を強調しています。
ロシア「スホイ57」初参加 中国国営メディアが大々的に報じる
航空ショーではロシアの最新鋭のステルス戦闘機「スホイ57」が初めて会場に飛来しました。
中国の国営メディアは、開幕前から、「スホイ57」の初参加を大々的に報じていて、会場に飛来した際の様子や本番を前に飛行訓練を行う様子などを報じてきました。
ロシアのインタファクス通信によりますと、11月11日から中国を訪問中の、ロシアの前の国防相で安全保障会議書記のショイグ氏が航空ショーの会場を訪れる予定だということです。
台湾国防部「台湾周辺の空域で中国軍のべ20機が活動」
中国南部の広東省で中国最大規模の航空ショーが開かれる中、台湾国防部は、日本時間の12日午前9時50分から、台湾周辺の空域で中国軍の殲11戦闘機や無人機など、のべ20機が活動したと発表しました。
このうちのべ13機が台湾海峡の「中間線」やその延長線を越えて台湾の北部や中部、それに南西の空域に進入したほか、中国海軍の艦艇と共同で戦闘準備パトロールを実施したとしています。
また台湾国防部によりますと、中国軍で台湾方面を管轄する東部戦区が最近、東部・浙江省や南部・福建省福州などの沿岸の海域で実弾射撃訓練を行ったということです。
中国は、台湾周辺で大規模な軍事演習を繰り返していて台湾国防部では、警戒と監視を続けています。
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