「おばあちゃんが教えてくれたこと」と題したこの劇は、広島で10年間にわたって被爆者を取材したイギリスの歴史家、エリザベス・イングラムスさんが台本を書き、原爆投下から80年となる来年の本公演に向けて準備が進められています。
8日、ロンドンで観客を入れての公開リハーサルが行われ、現地で俳優として活動する古村朋子さんが被爆者の女性や、その体験を聞く孫娘などの役を1人で英語で演じました。
この中では女性が、被爆者であることを理由に婚約者と結婚できなかった過去を明かしたり、孫も健康面や周りからの差別への不安を口にしたりするなど、人々が原爆の影響に苦しみ続けている実態が描かれ、観客は真剣に見入っていました。
訪れた男性は「とても心を動かされた。私たちは過去の出来事をあまりにも簡単に忘れてしまうが、こうした作品を通じて記憶にとどめなければならない」と話していました。
イングラムスさん「正しく理解されていないことに衝撃を受けた」
イングラムスさんは「被爆者や家族の実態が正しく理解されていないことに衝撃を受け、こうした人たちの声を広めたかった」と話していました。
また、ことしのノーベル平和賞に日本被団協が選ばれたことについて「高齢になっても核廃絶を訴え続けている被爆者たちの粘り強さと努力が実った結果だと思う」と話していました。
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