【ニューヨーク=清水石珠実】工業製品・事務用品大手の米スリーエム(3M)が30日発表した2024年1〜3月期の決算は、純利益が前年同期比5%減の9億2800万ドル(約1460億円)となった。売上高は微減の80億300万ドル。軍用耳栓の品質問題などを巡る訴訟の和解関連費用を計上し、純利益を押し下げた。約60年ぶりの減配を検討していることも明らかにした。
同社は今月1日にヘルスケア部門の分離を完了したことを受けて、配当の切り下げを検討しているという。同社のサイトによると、3Mは過去64年連続で配当を引き上げている。投資家の間で「配当貴族」銘柄として知られてきたが、こうした伝統は転機を迎える。
現在の四半期配当は1.51ドル。減配後の具体的な配当額などは明確にしていない。
1株利益は1.67ドル(前年同期は1.76ドル)。特殊要因を除くと2.39ドルと、市場予想(2.08ドル程度)を上回った。
同社は5月1日に経営トップの交代を控える。軍事通信大手L3ハリス・テクノロジーズ出身のウィリアム(ビル)・ブラウン氏が最高経営責任者(CEO)に就任する。18年からCEOを務めてきたマイク・ローマン氏は会長になる。
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