北太平洋では、日本周辺を含む東アジア沿岸に分布するマイワシと、アメリカ西海岸の沿岸などに分布するカリフォルニアマイワシの2種類が、それぞれ異なる海域で生息していると知られてきました。

しかし、NOAAがおととしと去年行った調査の際に、アメリカ西海岸の沿岸で採取されたサンプルの遺伝情報を分析した結果、カリフォルニアマイワシだけでなく、マイワシが生息していることが確認されたということです。

これについて、研究チームが2013年から2021年の間に採取された過去のサンプルを調べたところ、マイワシの存在は確認されなかったことから、マイワシが北太平洋を横断するようになったのは最近のことだとみています。

調査にあたったギャリー・ロンゴ研究員は「北太平洋の海水温はかなり上がっている。その結果、マイワシはベーリング海の南部やアリューシャン列島の周辺を生息地として利用しつつ、その後、太平洋を東へと移動してきたとみられる」と話し、マイワシは冬の間も生息できるだけの海水温の上昇を受けて、太平洋を横断するようになったのではないかと分析しています。

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