Q.午前7時11分ごろに北朝鮮から少なくとも1発の弾道ミサイルが発射されて現在も飛行中で、この後、午前8時36分頃に奥尻島の西EEZ(排他的経済水域)の外側の日本海に落下するとみられるという情報が入っていますけれども、今の状況についてどう見ていますか。
A.発射情報が来たときに、いつ海面に落ちるかということが一番の関心事で、その飛行時間が今回1時間20分程度ということで、これはもうほぼICBMと断定していいと思います。
打ち方も今までと同じようなロフテッド軌道で、水平飛行距離1000キロ、高度についていうと、6000キロ以上ということで、ICBMのロフテッド軌道の発射というふうに、それを前提に考えていいと思います。
Q.北朝鮮の狙いはどういったところにあると考えますか。
A.おそらく3つあると思います。
1つはアメリカに対して最終的な北朝鮮の核抑止体制の完成というのが、完成に、いわゆるゴールに近づいてるよということをしっかり見せるということですね。
それともう一つ、今回特に我々が気をつける必要があるのは、ヨーロッパへの北朝鮮の派遣といいますか、これもここ数週間でそんなことはないと言っていたのがもう既成事実として出てますので、国際的な非難を受けていると。
その中で北朝鮮としては、ロシアもプーチン大統領もよくやってます、核恫喝ということで、結構アメリカの行動を抑制していますので、北朝鮮としては自分たちの行動について、アメリカが口出しをするなという一つの意思表示ということもあると思います。
それと3つ目はあまり話に出なかったんですが、やはり火星18型の発射回数が少ないので、前回技術的に100%の100点を取れたかどうかというのはわかりませんけども、やはりいくばくかの改善点というのは必ずあるので、そういうところも含めた確認ということも含めて、北朝鮮は今回その3つの狙いを確認するために打ったというふうに私は見ております。
Q.そして今回の発射は、この後午前8時36分頃に日本のEEZ排他的経済水域の外側の日本海に落下するとみられるということですけれども、日本の備えとしてできること、考えておくべきことは何でしょうか。
A.一つは、今回日本上空を飛ばないということで、Jアラートも出なくて、このあたりきちっと日本の今の弾道弾の警報体制、それから防衛体制というのがきちっと機能している、最初、不具合もあったわけですけれども、これをよりしっかりと、順調にいっているように見えるけど不具合はないのかということも含めて、あるいはJアラートを出すときはどうなのかということも含めて、きっちりと検証していくということと、今、防衛省の事業であげている物理的な弾道弾防衛体制をしっかりと構築をして、精度を高めていく。
日米韓との情報共有体制についてもしっかりつくっていくということを淡々と進めていくことだとは思います。
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