イスラエル軍は26日、イランがイスラエルに対して今月1日に行った大規模なミサイル攻撃への対抗措置として、イラン国内の複数の地域に空爆を行い、ミサイルの製造施設や地対空ミサイルシステムなどを攻撃したと発表しました。
イスラエルメディアによりますと、およそ20か所の標的に対して3回に分けて攻撃が行われたということです。
イラン軍は、イスラエル軍の攻撃はイラクの領空に侵入して行われ、迎撃に成功したものの、兵士4人が死亡したほか、いくつかのレーダーシステムに限定的な被害が出たと明らかにしています。
一方、アメリカのニュースサイト、アクシオスは、複数のイスラエル当局者の話として、弾道ミサイルの固体燃料を製造するための設備12基を破壊したと伝えています。
これによりイランの弾道ミサイルを製造する能力に深刻なダメージを与え、イランが支援する中東各地の武装組織へのミサイル供給も制限されるとの見方を示しています。
攻撃目標については当初、石油関連施設や核施設の可能性も報じられていましたが、イスラエル首相府は声明で「国益に沿って攻撃目標を選択した」としています。
27日には、イスラエルとイスラム組織ハマスの間の停戦と人質解放に向けて、イスラエルの代表団がカタールを訪れ、仲介国とアメリカとの協議を再開する見通しで、今後、協議の進展につながるかが焦点です。
イラン ハメネイ師 反撃について具体的に言及せず
イランの国営テレビによりますと、最高指導者ハメネイ師は27日に行った演説で、イスラエル軍による空爆について「イスラエルの計算違いだ。彼らはイラン国民の強さや意志を理解しなければならない」と反発しました。
その一方で、今後の対応については「国家と国民にとって最善の方法がとられるべきだ」と述べるにとどめ、反撃するかどうかなど具体的に言及しませんでした。
イスラエル軍の攻撃への対応をめぐってイラン側は、ガザ地区やレバノンの情勢を見極めながら、慎重に判断する姿勢を示しています。
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