国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)は24日、締約国のモンゴルがICCから逮捕状が出ているロシアのプーチン大統領を逮捕しなかったことについて、締約国の義務に違反したと認定した。ICCは、モンゴルの義務違反を締約国会合に付託するとした。

 ICCは2023年3月、プーチン氏がウクライナの占領地からの子どもの連れ去りに関与したとして、逮捕状を発行。同氏は外遊を大幅に減らしていたが、今年9月、日本軍とソ連軍が衝突したノモンハン事件85年の記念行事に出席するため、モンゴルを訪問した。モンゴルは同氏を逮捕せず、出国させた。

 逮捕状が発行された後、同氏がICC締約国を訪問するのは初めてだった。

 締約国はICCの捜査や訴追に協力する義務があり、逮捕や引き渡しの要請に応じることも含まれる。一方、国際法上の慣習では、現職の国家元首には「免除」という制度があり、他国の国家元首を逮捕・拘束できないという原則がある。

 ICCは24日の発表で、ICCの事案で国家元首の免除は適用できないと指摘。公的な地位や国籍にかかわらず、締約国は逮捕状が発行された個人を逮捕し、引き渡す義務があるとした。(ブリュッセル=森岡みづほ)

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