【パリ=北松円香】イスラエルからの攻撃が続くレバノンへの支援を議論する国際会議が24日、パリで開かれた。レバノン市民や同国正規軍への支援策を議論する。会議の開催を提唱したフランスのマクロン大統領はレバノンに1億ユーロ(約164億円)の支援を提供すると表明した。
レバノンのミカティ首相やドイツのベーアボック外相など70以上の政府や国際組織の幹部が集まった。
マクロン氏は会議の冒頭で資金支援を表明するとともに「自ら野蛮さの種をまいて文明を守れるのか」と発言した。テレビ番組で「文明と野蛮の戦いだ」と述べたイスラエルのネタニヤフ首相を皮肉った。
仏大統領府高官によると会議は停戦協議と人道支援、正規軍への支援がテーマだ。
イスラエルと対立するレバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラは、正規軍を上回る勢力を持つ。支援会議はレバノン南部で同国正規軍の展開を促し、主権回復をめざす。
レバノン政府の推計によるとイスラエルの攻撃を受けてレバノンでは120万人が避難しており、人道危機が深刻だ。イスラエルはレバノン南部の平和維持活動(PKO)部隊である国連レバノン暫定軍(UNIFIL)にも攻撃を加え、国際的批判も高まっている。
フランスが支援会議を開催した背景には、歴史的なレバノンとの関係の深さがある。同国は第1次世界大戦後の一時期、フランスの委任統治領となった。
レバノンには二重国籍者を中心に仏国籍を持つ人がおよそ2万4000人いるとされる。仏政府による退避支援が続いている。
この日の会議がレバノン情勢、特に停戦協議をどこまで進展させられるかは不透明だ。米国のブリンケン国務長官は欠席し、イスラエルの代表も不在だ。マクロン氏は2023年11月にもパリで、パレスチナ自治区ガザへの支援を議論する会議を開いた。
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