イスラエル政府は、避難を余儀なくされている北部の住民を帰還させるためとして、レバノン南部への地上侵攻を始めたと今月1日、発表し、ヒズボラとの戦闘を続けています。

こうした中、国境地帯で停戦監視に当たってきた国連レバノン暫定軍の監視塔が10日、イスラエル軍の戦車に攻撃され、インドネシアの兵士2人が負傷したのに続き、11日にもスリランカの兵士2人がイスラエル軍の銃撃を受けて負傷しました。

これに対して、平和維持部隊に人員を派遣しているフランス、イタリア、それにスペインの首脳がイスラエルを強く非難する共同声明を出したほか、アメリカのバイデン大統領も部隊への攻撃をやめるよう求めるなど、国際社会の批判や懸念が強まっています。

一方のイスラエル軍は「ヒズボラは意図的に市民や平和維持部隊の近くで活動する。隊員たちには、建物の中に退避するよう事前に伝えていた」などと説明し、地上侵攻を続ける構えを崩していません。

対するヒズボラは報道官が11日、レバノンの首都ベイルートで「戦いはまだ始まったばかりだ」と述べ、今後、イスラエルへの攻撃を本格化させると強調しました。

イスラエルでは12日にかけてユダヤ教の重要な祭日に当たりますが、11日にはレバノンから200発以上のロケット弾などが撃ち込まれ、テルアビブ北方の町では無人機攻撃によって建物が被害を受けるなど、攻撃の応酬は一層激しさを増しています。

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