パレスチナ自治区ガザでイスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘が始まってから7日で1年となるのを前に、世界各地で5日、戦闘反対と停戦実現を訴えるデモが開かれた。参加者はイスラエルの攻撃や米国の支援を批判し「ガザから、レバノンから、中東から手を引け!」「パレスチナに自由を」などと叫んだ。
ニューヨークの繁華街タイムズスクエアのデモには数千人が集結。冒頭、主催者の呼びかけで犠牲者に黙とうをささげた。涙を浮かべる女性の姿もあった。マイクを持った男性が「ガザと共に最後まで戦う」と話すと、参加者は歓声で応じた。
その後、デモ隊は「ガザを解放せよ」「イスラエルの占領は犯罪だ」とシュプレヒコールを上げながら行進。周囲では多数の警官隊が警戒した。
ファッション業界で働く女性チャリティー・ビダルさん(43)は「イスラエルの目標はパレスチナ人の根絶やしで、米国が後押ししている」と憤った。米国は11月に大統領選を控えるが「どの候補もイスラエルを支援する姿勢は変わらず、期待していない」と語った。
イスラエル中部テルアビブでもハマスに拘束されている人質約100人の救出を求めるデモが開かれた。「1年たったが彼らはまだここにいない」。「人質の命を権力の道具にしている」。参加者ら約2千人が、ネタニヤフ首相に人質解放交渉の早期妥結を迫った。
父親が人質になっている男性は「ネタニヤフ氏が権力の座にいる限り、解放まで3年かかるだろう」と嘆いた。
ロンドンやパリ、ベルリン、ローマなど欧州各地でも大規模な抗議デモがあり、参加者はパレスチナの旗や「レバノンに手を出すな」などと書かれたプラカードを掲げ、市中心部を行進するなどした。一部ではイスラエルの支持者や警官隊との小競り合いもあった。(ニューヨーク、エルサレム、ロンドン、パリ、ベルリン、ローマ=共同)
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